腸は免疫を司る
私たちの健康と腸内の環境は本当に深くつながっています。
近年、腸の免疫機能が注目されています。
というのも腸管に体の中で最も重要で最も大きな免疫器官があるからです。
腸は、毎日の食べ物や飲み物の栄養を吸収してくれる場所です。
吸収された栄養は、その人の血液の質や体質を作っていきます。
つまり、人の生命維持にかかわる最も大切な器官なのです。
また、腸は体の内側にある器官でありながら、外界と直接接しているという特徴があります。
というのも、腸は体に必要な栄養素だけを吸収し、細菌やウイルスなど害のあるものは排除する
という役割も果たしています。
一般的に腸の粘膜のヒダが健康なピンク色で、ポリープや宿便がない人は、
肌にもハリがあり、若々しく、健康な場合が多いです。
逆に腸がかたく、狭く、便の停滞がある人は見た目も年齢よりも老けて見え、
実際にも生活習慣病を抱えている場合が多いのです。
腸の役割
腸は「第二の脳」と呼ばれます。腸内に入ってきた物質を良いか悪いかを判断します。
これがうまくいかないと、アレルギーになります。
注目すべきは、脳内の神経伝達物質「セロトニン」の80%以上が腸で作られているということです
さまざまなホルモンを生産し、多くの血管や神経が集まっている腸の状態は全身に影響を与えます。
試験前や発表会などの前に緊張のあまり、
急な腹痛や下痢になったり。
これは、頭で考えることと腸の活動は密接に
つながっているということです。
腸は、栄養分を吸収する小腸と水分を吸収する大腸の2つに分かれます。
小腸は、約6m。内側は、縦毛(じゅうもう)とよばれる無数のヒダに覆われ
そこから栄養分を吸収し毛細血管を通じてその栄養素を全身へ送る役目をもっています。
大腸は、約1.5m。小腸で吸収仕切れなかった食べ物のカスや水分が吸収され最終的に便となり排泄
されます。
便秘などで排泄がたまると体温36度の環境下なので、食べたものが腸内で腐敗していきます。
これが大腸の粘膜に接し続けると・・・・
がんなど様々な病気の原因になるといわれています。
野菜類や海草、きのこ類などなど 食物繊維を食べると消化されないで良い便となり、スムーズな排泄ができます
悪い便は、2種類あります。
下痢便とコロコロのうさぎの糞のような硬い便です。
ころころうさぎの糞状態の方はストレスから自律神経に異常がきたしていたり
冷えがきつい方が多いです。
特に女性に多く、子供も増加傾向にあります。
また、男女問わず、ストレスや冷え、薬による副作用による便秘もあります。
では、なぜ便秘になるのでしょうか?
便秘には多くの原因がありますが、まず見直すべきは、食事の内容であり、特に動物性たんぱく質の
取りすぎと食物繊維不足です。
私たち日本人は、穀物・雑穀を長年食べてきました。
ここ50年の肉食、乳製品、インスタント食品の増加、こういった急速に変化した食生活が
大きく影響しています
また、トイレの様式化も関係があるようです
踏ん張る力が弱まったなども関係しています。
便秘の理由の大きく3つ
食生活の問題 お肉や加工食品ばかり、
睡眠不足・運動不足 不規則な生活、運動不足
精神的なストレス ・・・仕事場、学校、家庭、人間関係などの悩み
大腸がんが増えています。
肉や加工食品ばかりとり続けると腸や体内が酸化してきます。
大腸に送られた食物のカスは煽動運動によって結腸、直腸に運ばれます。
それが直腸に達した際にその刺激が脊髄を通して大脳に伝わり、便意がきます。
慢性的な便秘の場合、便意をがまんすることを繰り返したために
直腸から脳に伝わる刺激が弱くなります。
また、睡眠不足、運動不足や精神的なストレスなどの原因もあり、便秘薬への過度な依存も良くありません。
腸は人の体で最大の免疫器官
腸は栄養分を吸収する一方で細菌やウイルスはその感染を防ぐため吸収せず
便として体外に排出しています。
血液中を流れるリンパ球といわれる免疫細胞の多くが腸に集まっており、それら免疫細胞が
腸の粘膜やヒダに集まってバイエル版と言うリンパ組織を形成しています。
また、人の体の全免疫システム全体の70%が腸に集中していると言われています。
毎日、食べているものは、必ず多くの細菌やウイルスなどがついています。
それらの有害物質は腸の粘膜から最も侵入しやすいとされています。
また、正常な人でも毎日3,000~4,000個発生すると言われているガン細胞ができます。
病原菌や有害菌などの外敵を素早く感知し、攻撃し、排除するため、免疫細胞が24時間365日、
常に腸を守り続けなければなりません。
つまり腸は人の体で最も仕事をしている免疫器官であるということです。
そして腸内の免疫と腸内細菌は密接な関係をもっています。
人の腸の中には、約500種類、100兆個の細菌が住み着いています。
その細菌は「腸内細菌」といわれています。
腸内細菌の種類は、乳酸菌を代表とする善玉菌と有害菌である悪玉菌が存在しますが、
さらに詳しく分けると、腸内の環境状態によって「善玉菌」にも「悪玉菌」にもなったりする「日和見菌」という3種類に分類できます。
健康な人の腸内環境は善玉菌と悪玉菌それぞれがバランスよく保たれています。
小腸から大腸にかけては、これらの腸内細菌がびっしり存在し、まるで草むら(フローラ)のようであることから、腸内フローラとも呼ばれています。腸内フローラのなかの細菌は、さまざまな働きで、人の健康に多大な影響を与えているのです。
日本人の腸はもともと「低脂肪・高繊維」の食事に適応してきたのですが、近年急速に「高脂肪・低繊維」の食事へと変化してきました。また加工食品やインスタント食品など栄養バランスの悪い食事も多く摂取するようになってきました。
このように腸に入ってくるものの量・質・内容の変化により、腸内細菌のバランスに乱れが腸の免疫の乱れの大きな原因となります。
また、老化、ストレス、睡眠不足、過労、抗生物質の服用等などで腸はダメージが溜まり、結果として善玉菌が減り、悪玉菌が増えるといった悪循環に陥ります。特にストレスは腸の免疫の乱れの大敵で、腸内細菌のバランスが崩れやすくなります。
そして、腸内の免疫細胞が有害物質やウイルスなどを感知できなくなり、外敵が有害なのか無害なのかの仕組みにエラーが発生したり、逆に無害なものまで攻撃してしまうという異常などが発生したりすることで免疫力は弱っていきます。
腸内免疫が乱れると次のような症状が起こりやすくなります。
下痢
有害物質の侵入に対し排除しようとする免疫反応で、通常は一時的なものですが、免疫の仕組みの異常が原因となって下痢が続くことがあります。悪玉菌が多くなることで腸内バランスが崩れ、腸のぜん動運動が乱れて起こるのです。
潰瘍性大腸炎
腸の粘膜の機能に異常が生じて、大腸の粘膜に潰瘍やびらん(ただれ)ができる病気です。原因として、これまでは細菌やウイルスの感染、アレルギーやストレス心理的な原因、体質などが考えられてきましたが、最近では、免疫異常が関係していることがわかってきました。
食物アレルギー
本来有害ではないはずの食べ物を、腸が有害だと判断するようになると、同じ食べ物が腸に入るたびに免疫の仕組みが過剰に働きます。このアレルギー反応は、腸内細菌のバランスが免疫細胞に影響して起こるとされています。また、遺伝子組み換えや農薬、抗生物質使用による食品成分の変化もアレルギー反応を起こしやすくする原因のひとつとされています。
大腸がん
腸内細菌が産生する有害な物質による粘膜への刺激が、がんを発生させることがあります。大腸がんの原因で一番多いと指摘されているのが食生活で、特に食物繊維不足による便秘が上げられます。なぜなら、便が長い時間腸内に留まることは腸内の腐敗を生みやすく、結果、大腸に負担がかかり、腸内環境も悪化をもたらします。実際に日本の女性のがん死亡の1位が胃がんを抜いて大腸がんになったことも注意すべき点です。
このように腸内細菌は腸内の免疫に非常に大きな役割を果たしており、体に良いものと悪いものを区別し、有害なものは排除するといった仕組みは腸内の細菌によって調整されているといわれています。つまり腸内細菌のバランスが保たれることによって免疫の仕組みが正常に働くのです。
逆に細菌の中の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れ、悪玉菌が増えると、免疫機能が低下して病魔に侵されやすくなるわけです。理想的な腸内環境は、乳酸菌などの善玉菌がおよそ90%、大腸菌などの悪玉菌が10%というバランスだと言われています。
従って、腸内細菌を健常な状態に維持することは、健康を維持していくうえでも、病気の予防や老化防止などに役立つ上でも大変重要な問題です。その為には善玉菌をできるだけ多くし、日々、腸内細菌のバランスを整えてあげる必要があるのです。「腸内細菌」が病気になると、私達も病気になるのです。「腸内細菌」に元気でいてもらわなければ困りますよね。
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